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吾唯だ足るを知る2010/12/27   

「吾唯だ足るを知る」 2010/12/27

 この年末年始は、温暖化や異常気象などの全地球的な環境問題がテレビや新聞でもたくさん採り上げられていたのが印象的である。
 昨年からこの欄に、「成長の限界」について何度か書いたこともあり、新年にあたって、「身の回りのモノを減らす」という個人的な誓いを立てることにした。
 ヒントは、京都の龍安寺に水戸光圀が寄進したという『知足の蹲(つくばい)』と呼ばれている石の手水鉢(ちょうずばち)から頂戴した。
 吾、唯、足、知、の四文字を上から時計周りに丸く書いて、それぞれの字に付いている「口」を共有化し、その口に水を貯めて手水鉢にしたものである。
 その意味は、満足することを知っているということで、無限の欲望の否定に他ならない。
 「この不況の折にそんなことを言って、消費を減らすつもりか」といわれそうだが、経済はもはや経済だけで考えることはできなくなっている。前回までに書いたように、68億人を扶養する地球は、食料、燃料を与え不用物を回収するシステムとして考えると、現在でも許容量を35%ほども超えているのである。
 それでも人口はまだ増えるし、途上国はまだまだ良い生活を望んでいる。また、先進国はアクセルを踏み込んで成長を取り戻そうとしている。
エコの技術進歩ではとうてい間に合わないということであり、識者も「価値観を変えなければいけない」とやっと言い出した。
 具体策としても、政策目標をGDP(国内総生産)に替えて GNH(Gross National Happiness、国民総幸福度)にしようという提案などがなされている。ちなみに、日本のGNHは、ある試算によれば、分析の対象となった178カ国中でなんと90位だそうだ。
 日本はGDPでは世界第2位なのだが、こちらの尺度には、心身の健康、家族の新密度、友人との親交、町並みの美しさ、犯罪の少なさ、などは入ってないのである。
 個人もGDHを指標にすると、行動が変わってくるはずである。目標が「節約」だけでは人生が味気なさ過ぎる。
 例えば、WEBで見事な「植物園」を作り上げた人がいる。「デジカメで花を撮るのは、人の庭先でもまず文句を言われることがない。また、WEBだから印刷費もなにもかからないし、WEBの費用もたいしたものでない。花を相手にすると心が和らいで友人までできる」と言っている。見事に「エコな」趣味である。
 筆者も「足るを知る」ということで、モノに対する確執を減らして、その分幸せを増やそうと思う。
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by chihirotp | 2009-12-25 11:37 | 随筆

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