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鳩山政権の経済政策 2009/10/27   

「鳩山政権の経済政策」 2009/10/27

鳩山政権が「新しい」政策を次々に実行しようとしている。
どうも先が見え難いという声を聞くが、経済理論を歴史的に参照すると、解り易い。
 まずは、小泉政権が行おうとした「レッセフェール(自由放任)主義)」から「ケインズ主義」へ回帰しようということである。
 ケインズ主義は1930年の大恐慌を契機にして出現し、大きな政府による財政出動が世界の流れとなったのだが、時を経るとインフレと増税という病がでてきて、1980年代のサッチャー(英)、レーガン(米)のマネタリズム=自由放任、規制緩和と市場主義、小さな政府という流れにとって代わられた。
 これで、米国は最近まで好況に酔いしれた。また、小泉政権はさんざん遅れてこの流れに乗ったのだが、米国の「金融の規制緩和」が行き過ぎて、08年秋の金融危機につながってしまった。賃金格差が広がり、市場主義が批判されだしてもいた。
そこにオバマ政権が誕生し、世界を主導して、再びケインズ的に数百兆円もの財政出動となったのである。
 民主党政権には、さらに、マネタリズムと結びついたサプライ・サイド(供給側)支援から、ディマンド・サイド(需要側)支援という流れもある。
 友愛を強調する鳩山政権の目玉でもある、子ども手当ての支給、高速道路無料化、農家戸別補償などの直接補助はみなディマンド・サイド支援でもある。
 自民党における経済政策は、公共事業や団体への補助金のようにサプライ・サイド(供給側)を支援して資金を投下し、それがやがては市場を通して経済成長に繋がっていくというものであった。いろいろな団体も潤った。しかし、バブル崩壊や低成長によって資金が細り、もはや末端まで効果が届かなくなってしまったのである。
 ただし、鳩山政権には大きくなり過ぎた「財政赤字」の問題が迫っている。
 年間の税収が40兆円を割ろうとしているときに、一般予算が90兆円を超えようとしているのだが、国と地方の長期債務はもう800兆円にもなる。
 最近上昇しだした長期金利がこの理由でなければ良いのだが・・・。

by chihirotp | 2009-10-25 11:31 | 随筆

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