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便利さ・心地よさを考え直そう   

「便利さ・心地よさを考え直そう」
20010/12/28
 新年にあたって、性懲りもなくであるが、誓いをたてる。
 昨年は「身の回りのモノを減らす」という目標をたてたが、今見回してみると、増えはしないものの、残念ながら、目に見えて減ってもない。
 今年は「便利さ心地よさを安易に追求しない」ということを考えた。我ながら年寄り臭いとも思うが、まあそろそろいいかとも思う。年をとると物忘れが酷くなるなどということもあるが、少しだけモノが見えるようになるという良いこともある。
 便利なもの、心地よいものを手にいれるとたいていの場合は、何かを失うのである。
 携帯やPCは便利であるが、仕事が四六時中追いかけてきて自分の時間を細切れにされる。あえて携帯を持たない同僚も3,4人居る。
 コンビニで何か買えばいつでも、そこそこの食事はできるが、家族の団欒と、できたての手作料理の真の美味しさを失ってしまう。
 車をもつと行動範囲が広がり楽しい思いをするが、費用がかかり、足腰が弱り、歩く喜びも失っているかもしれない。きれいな環境も失っているかもしれない。
  戦後、もう65年、我々は豊かさを求めて懸命に頑張ってきたが、結局は便利さ、心地よさを追求いてきたともいえよう。それは、どこかまでは正しかったのだろうが、どこからか以上はただの行き過ぎで、幸せにつながっていなかったと考えられる。
 我々はさらに、他人の幸せを邪魔していないかも考えなければならなくなった。
 グルメ・ブームに沸く日本では、1年間の食べ残しの量が食物の4割にも上るといわれるが、一方で人類の7分の1、10億人は飢えている。
 CO2の排出による温暖化でどこかの島が水没しそうになっていたり、現在の漁業の乱獲で大型の魚種が絶滅し将来の人々の食生活が制限されそうだとか、時間空間を越えた他人の心地よさを奪っていることも考えなければならなくなってきた。地球の有限性を無視できなくなってきたのである。
 ハナシが大きくなってしまったが、もちろん、自分にできるところから始めることが重要である。場合によっては、自分に「便利税」なども掛けてみようと思う。
青山学院大学社会経済学部教授 岩井千尋
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by chihirotp | 2010-12-28 16:34 | 随筆