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「成長の限界」その後 2009/9/28   

「成長の限界」その後 2009/9/28

 先ごろ、鳩山由紀夫首相は国連で演説し、地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2020年までに1990年比で25%削減する」と表明した。
 日本人が何より大切にする「話し合い」を飛び越して行った国際公約に対しては、官民に困惑が広がっているようだ。この苦しい不況の中、エネルギー効率を改善する費用をどうしてくれるのか、「現実を考えて欲しい」ということだろう。
 しかし、今回の件は、いままでよくあったような政治家の思いつきではない。
鳩山氏は、2000年に『成長の限界に学ぶ』という本も出している。その中で彼は「1972年に出版された『成長の限界』という1冊の本で「頭を殴られた」ことが、政治を志すきっかけとなった」と述べている。
 この本はローマクラブが、資源と地球の有限性に着目してマサチューセッツ工科大学(MIT)のデニス・メドウズを主査とする国際チームに委託してとりまとめた研究で、人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば100年以内に地球上の成長は限界に達すると警鐘を鳴らした。
 それから37年経った今年4月、メドウズ氏はその功績により「日本国際賞」を受けたのだが、その際、「対策はなにも進んでおらず、当時の主張は細かい部分に関して不確実な部分があるものの、専門家の一致するところとして、現実には、変動の速さが予想以上に速い。氷がどんどん無くなっている。降雨量の変動も予想以上に速い。海洋生物への影響も思っている以上に速い」と述べている。
 エコロジカル・フットプリントといって、「その人間活動を支えるためには地球がいくつ必要か」という土地資源に着目した単位が考案されているのだが、「成長の限界」が出された1972年には、0.85個であったものが、現在では1.35個、つまり、35%も限界を超えてしまっているのだという。
 昨年からの金融危機では、隆盛を誇った投資銀行があっという間に5つともなくなり、日本の輸出が突然6割も減るという大きな衝撃を味わったのだが、将来の危機はもっと大きく猛スピードで起こるのだという。
 このようなことを知ると、冒頭の「現実を考える」というのは、今やこの大きなハナシを考えることのように思える。
 かつて、米国は京都議定書からも逃げたし、排ガス規制は全ての国がシュリンクしている。名乗りを上げられるなら、技術もあり、今ならまだ少し辛抱できる日本しかないのではないかと思うのだが・・・。
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by chihirotp | 2009-09-25 11:29 | 随筆