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行き詰まりをどうするか  2009/8/29   

「行き詰まりをどうするか」  2009/8/29

 予想されていたことではあるが、今回の選挙は与野党「大」逆転であった。
 一言でいえば「もう、たくさんだ!」という国民の怒りでもあろう。
ただ、どうにもこうにも情けないことは、アメリカの、あの惨状の中でオバマ大統領が出てきたときのような「希望」が、次の政権にもないことである。
 原因は、あっちもこっちも行き詰っているということにあると思われる。
 まずなによりも、自民党の政治が今度こそ行き詰った。
 60年代から80年代にかけて、エリート揃いの官僚、大企業、小規模農家と手を組み、日本を繁栄に導いたことは間違いない。また、安全保障で米国の傘に入り、産業に力を注いで世界第二位のGDPを手に入れた功績もあろう。しかし、バブル崩壊後の経済運営に失敗し、先進国で最速の高齢化や最悪の財政赤字を抱えながら、責任ある方針を示せなかった。小泉政権の個人的人気で延命したものの、それが終わると、今回の金融危機をきっかけとしてまた昔の時代に返ろうとすらした。
 次に、その政治が一貫してモデルにしてきたアメリカが行き詰った。
 自由を標榜して規制緩和を行い、ライバルのソ連が崩壊して、地球上唯一の押しも押されもしない超大国になったとたんに、その自由が行き過ぎたために、自分で行き詰ったのが歴史の皮肉というものであろう。まばゆいばかりの存在であった投資銀行が全て崩壊し、世界をリードしてきたGM、クライスラーが倒産して、この10数年の繁栄がみせかけだったことを世界に示してしまった。
 そして、最大のものは市場の行き詰まりであろう。
 佐伯啓思氏は、今回の世界的な危機の原因は「商品を売買する市場競争が行き詰って、本来、野放し的に取引すべきでない生産要素である、貨幣(金融)、労働力、自然資源を、強引に市場商品にしてしまった」ことにあるとされている。
 なんでもそうであるが、行き詰まりの解決は難しい。ハデな成果より、先を見据えた地道な努力を期待したい。
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by chihirotp | 2009-08-25 11:25 | 随筆