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「最終的には倫理・・・ 2009/6/27   

「最終的には倫理・・・」 2009/6/27

 米国で、金融規制の改革案が発表された。
 金融システム全体に影響をもつ大手金融機関は、業種を問わず米連邦準備制度理事会(FRB)の監督下に置くこと、証券化商品やデリバティブ(金融派生商品)なども金融当局の監視下に置くこと、金融商品を売るものは自己勘定でその商品を5%以上保有すべきことなどが盛り込まれている。
しかし、今まで、現実は常に規制に先行してきた。それからだけ考えても、どんなに規制しても、  「私利私欲」を肯定し、投資額以上の損失を否定する株式を中心とした資本主義にしっかりと足かせをはめられるかは疑問である。
 当然のように、最終的には「倫理」しかないとの意見が日増しに増えている。
 日本のニューズウィーク誌は6月24日号で「資本主義再考」を特集しているが、その中の「新・資本主義宣言・・・」では、結論として、道徳の役割を挙げる。
 また、投資銀行でかつてスター的存在であった神谷秀樹氏は、最近の著書『さらば、強欲資本主義』で「会社も人もすべからく倫理的たるべし」と繰り返し述べている。
 岩井克人教授は、以前から「法人を中心とした資本主義において、その中心に座る生身の経営者、財団の理事などは、絶対に『信任』ということが必要とされる」として資本主義のまさに中核には信任関係、倫理が必須であると強調されている。
 さらに、案外知られてないことだが、資本主義の父アダム・スミスは、有名な『国富論』を出す前には『道徳感情論』The Theory of Moral Sentimentsを表わして、「人間は他者の視線を意識し、他者に同感(sympathy)したり、他者から「同感」を得られるように行動する・・・」と記してる。ひとには本来倫理が備わっていることを前提にしながら、自由放任の資本主義を説いているのである。
 問題なのは、それを経営者に強制する方法がみつからないことであろう。
今回、サブプライム・ローンでは、こともあろうに資本主義が、借家で慎ましやかに暮らす人を標的にして牙を剥き、ホームレスにしてしまった。
 倫理を教えるには、教育しかないのかもしれない。著者はよけいにアタマが痛い。
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by chihirotp | 2009-06-25 11:21 | 随筆