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副作用が心配  2009/5/28   

「副作用が心配」 2009/5/28

 最近、景気が底打ちしたのではないかという議論が賑やかである。
 昨年9月のリーマンショック以来、各種の指標が見たことのないほどまっ逆さまに下落していたのが、いくつか確かに止まっている。
 鉱工業生産が僅かながらプラスになって、自動車などの主力輸出商品に下げ止まりの兆しが出てきた。景気動向指数の先行指数が6ケ月ぶりにプラスに転じたし、なによりも株価が大幅にもどしてきた。
 これほど落ちたのだから戻るのが自然ということもあるのだが、世界中でうたれた巨大な経済対策も効果が出ているのだろう。
 身近なところでは、定額給付金、エコカー減税、省エネ家電に対する「エコポイント」割引、等々、日本政府・与党が昨秋以来打ち出した事業規模は130兆円にものぼる。
 海外のメーカーにも補助金などが出ているのだからという理屈もあるのだが、その場しのぎという感じが否めないものや、ドサクサ紛れというものもでてきた。
 あのアメリカが、危機に瀕した企業を助けているのだから、止血剤、痛み止め、カンフル剤、場合によってはモルヒネまでしょうがないというムードである。
 だが、副作用のないクスリはない。
 ひょっとしたら、株価が上がっているのは巨額の流動性(現金)が遊んでいるだけかもしれない。
 助けられた側の企業の自立自助精神は大丈夫なのだろうか、助けた国の財政規律はどうなるのだろうか?いや、合理的期待形成仮説がいうように、人々は財政赤字と将来の増税を予想して、いよいよ財布の紐を締めるのではないだろうか?
 さらに最近では、グリーン・スパンが絶妙のタイミングで不況突入を阻止してきたこと自体がバブルをつくったとの批判も飛び出しているのだが、世界中で打った経済対策が結局は仇になるのではないか、などとも考えてしまう。
 筆者が歳をとって心配性になっただけならいいのだが、まだあまり楽観的にならないほうがいいと思う。
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by chihirotp | 2009-05-25 11:18 | 随筆