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テクノロジーとモラル 2009/1/27   

「テクノロジーとモラル」 2009/1/27

 テレビで、オバマ新大統領が200万人もの群集の前で就任演説するのを聴いた。未曾有の金融危機の中に居るということもあろうが、これほど「言葉」の威力というものを感じたことがないと思った。
 さて、残念ながら、世界の経済は急速に悪化している。信じたくはないけれども確かにこれは100年に1度の大事件かもしれない。
 そうであるならば、我々は歴史を紐解く必要がある。
 フランシス・フクヤマ氏が言っていることであるが、19世紀は産業革命によってでてきた多くのテクノロジーによって、人類の先行きが明るいと(欧米人が)自信を持った世紀である。そして、最終的な政治の形である民主主義がでてきたのであるが、20世紀になり2つの大戦を契機にして、人類がそのテクノロジーで何百万、何千万という大量殺戮を行うのを目の当たりにして、西欧人は今度は悲観主義に陥ったという。
テクノロジーというものは人間を幸せにもするが、次の瞬間は人に襲い掛かるのである。そうしたテクノロジーを扱う側の政治体制が、明らかな欠陥を孕んだ専制君主制や王政ではなく、民主主義であるだけに、ことは深刻だという。
今回も同じことなのかもしれない。
 お金が瞬時に世界を駆け巡ることを可能にしてしまった情報テクノロジー、リスクを計量したりヘッジする金融工学というテクノロジー、そうしたテクノロジーも、いったんは人間に繁栄と幸福をもたらしたのだが、世界同時的な不幸もばら撒いてしまった。
テクノロジーが発達すれば、本来、それを扱う人間の方のモラルも発達しなければならないのだが、最近のいわゆる拝金主義、一攫千金ドリームなどの影でモラルの方は忘れる一方だったのが一因であったのは間違いない。
 モラルなるものを発達させる方法については、もちろん筆者も五里霧中であるが、幸い、日本には、「以って足るを知る」という言葉とか、清貧の思想とか、カネそのものを卑しむとう考えすら存在する。
 時間がかかっても、我々は、まずは教育で何かを教えなければならないと思うのだが・・・。
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by chihirotp | 2009-01-25 11:04 | 随筆