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いつでも夢を   

「いつでも夢を・・・」           2010/04/28

 今年も、キャンパスに新入生が入ってきた。
 ムカシのコマーシャルに「ピカピカの、一年生!」という歌があったが、大学生になった彼らもそのような雰囲気は漂っている。たぶん人生で一番良い時期なのであろう。
 しかし、気になることがある。
 彼らはどうやら、あまり「夢」を持ってないような気がするのである。
 夢を持つことの重要性については、古今東西語られてきたし、夢という単語は本の題名、歌の文句にも頻繁に出てくる。
 坂本龍馬の連続ドラマでは江戸から明治にかけての若者が夢を追いかけるし、中国の万博のインタビューを見ていても、目を輝かして夢を語る若者がたくさん出てくる。
 しかし、身の回りで「夢は何ですか」と聞いても答えられない子が多い。こちらが年取って、心配性になっただけならいいのだが・・・。
 夢の定義はよくわからないが、夢は、現実から遠いから「夢」なのだと思う。
 有名なキング牧師のスピーチは「私には夢がある」から始まって、肌の色による差別がなくなる日を語っているが、この場合は現実が悲しすぎたし夢から遠すぎた。
 そう考えると原因のひとつは、私学に入るような若者の生活は、相当に満足できる生活になっているからだと考えられる。スタート台が高すぎる問題だろう。
 我々のころは、衣食住がまだまだ貧しく、それが充足されること自体が夢の一部だったが、今の若者は何でも持っているし、海外旅行も夢ではない。
 しかし、もう一つの原因は、ここ20年くらいの経済不況、政治の不調など、育ってきた環境が右肩下がりでしかなかったことであろう。彼らが産まれた少し前は日経平均は4万円に届こうとしていた。さらに、我々の頃と違ってオリンピックや万博といったイベントがあったわけでなく、バブル崩壊、少子高齢化問題、財政赤字問題から温暖化問題など、今より明るいことを考え難い時代になってしまった。
 いやいや、我々自身が働くことだけに夢中で、生活を楽しみ夢を持つことをしなかった影響もあるかもしれない。
 若者が夢を持てるようにすることが、我々に残された義務だと思う。

by chihirotp | 2010-04-28 00:52 | 随筆

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